ご 挨 拶   


 分社グループ 代表  酒 井 陽 太


会社の最終使命は継続することだと思っています。
時代の変化に合わせて組織や制度を変えることはもちろん事業内容も変化していきます。良い時も悪い時もあるのは人生と同じです。
平成21年8月 当グループ創立者の酒井邦恭が亡くなりました。
「会社は大きくするな」、「人間はダイヤモンド、社員こそ真の財産」、「分社こそ人を活かす最上の方法」「一人一社こそ究極の姿」と分社経営を唱え、実践し20社を残して逝きました。
その後を私が引き継ぐことになりましたが、今は時代が大きく変わろうとしている時期ですから生易しい気持ではやってはいけないことを十二分に感じております。
固より人の命には限界があります。企業や組織にも寿命というものがあるように思います。
その寿命をできる限り長生きさせることが担った者の責任かと思います。
明日のことは誰にもわかりません。どんな不運に見舞われるか、事故や戦争に遭遇する事もあるかもしれません。自民党がここまで敗退するとは誰が予想したでしょう。最大の自動車会社GMが破産しました。JALもおかしくなってしまいました。毎日のご飯も今は満足に食べられていますが、10年後にはどうなるか。当り前と思っていることが消えて無くなったり、変化してしまう時代を迎えているように思います。
『死ぬという約束はなく生まれたり』という川柳のように人生に約束されたことは何もありません。
でも悲観的になったり、寂寥感に捉われる必要は全くありません。
四天王寺を建立した金剛組は1400年以上続いた組織体であり、その他日本には千年以上の長寿組織が結構あるのです。何がそうさせたのでしょう? 穿った見方と言われるかもしれませんが、それは“盛時を謳歌しなかった”からだと思います。
分社グループ各社が分社精神にのっとり各事業活動に精を出し、日々の問題を真剣に考えて決断してゆく。その時その時の決断がいかに真剣であるかが重要です。
舵執る船長は替っても船は航海を続けなければなりません。
それが船の否人生の使命だからと思っています。

 

[分社経営を考えた基本]

 

 前分社グループ 代表   酒 井 邦 恭

 

「なぜ分社経営を考えられたのですか?」
そう、或る方に尋ねられました。
私が「分社経営の創始者」だと、朝日新聞の事典に出ているからだと思います。
そのお話をしましょう。

まず、生きてゆくためには、お金が必要です。
そのために、人間は働かなければなりません。
しかし、人間は一人では生きられない。協力してゆかねばなりません。
一方で、人間は「一人で好き勝手」にやりたい。自分で決めたいのです。
お金も大事ですが、好きなように仕事したいのも人間です。
この矛盾をどう解決したらよいか。そればかり、私は考え続けたのです。
その答えが「分社」でした。

会社が出来て、大きくなる。大きくなると、人間が増える。
頭のうえに他人が乗っかって、自由度が減る。自分で決められない。
「分社」では、出来る限り権限を委譲する。
そして、子どもが育って大人になるように、成人したら独り立ちする。
「成人」の手助けを、早いうちから行うのです。

一人でも多くの「成人」を作り出す。それが「分社経営」の基本です。
1つの大きな会社がいいか、沢山の小さな会社がいいか。
我々は、後者を選びました。
それで得たお金をどう使おうと、個人の自由です。
私たちはこの考え方でやって来ました。
そして、これからも変わりません。